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第1巻冒頭の導入場面の試し読みレビュー
報酬を求めるフリーターの中山浩二と、将来のために治験へ参加するアイドル候補生の矢吹恭子。二人が試すのは、人の好意を変えるという薬「キューピッド」だ。『Hな妙薬』は、それぞれの目的を持つ二人が同じ実験に加わる物語。冒頭には不穏な独白と、表からは見えにくい人間関係が並んでいる。
黒い余白に浮かぶ言葉が、甘い題名を揺さぶる
冒頭で印象に残ったのは、絵と絵の間を大きく空けた黒い画面だ。その中に、輪郭が細かくけば立った白い吹き出しが浮かぶ。暴力や監禁を示す短い独白は、ほかの情報から離して置かれているので、一つずつの言葉が重く残る。
人物を描くコマにも暗い青紫の背景が使われ、男性の顔は影で見えない。表情を読み取れる相手と、顔を読み取れない相手が同じ画面にいることが、関係の不均衡を伝えてくる。私は、この顔の隠し方と黒い間隔によって、人の気持ちを動かす薬という設定に、他人の意思へ踏み込む危うさを感じた。
三人の後ろ姿から、隠れた手元へ視線を運ぶ
三人が並ぶ後ろ姿のコマでは、中央の長い髪の人物を挟んで、左右の二人が配置されている。目が留まるのは、その並びの陰で近づく手だ。続くコマでは手元が大きく切り取られ、小さな動きが見える。人物の位置を見たあとに細部へ寄るため、誰のそばで何が起きているのかを追いやすい。
裏切りを示す独白に、この手の動きが重なることで、抽象的な不穏さが具体的な人間関係へつながる。大きな身ぶりを使わず、隠れた場所の小さな行動に意味を持たせているところが面白い。この冒頭は、人の並びと手元を追うほど、表に出ている関係と内側の思惑のずれが見えてくる。
購入予算の考え方
読みたい作品に使う金額を決めるときは、購入予算の考え方も役に立つ。
