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第1話冒頭の朝の場面と、そこから戻るグループワークの会話を読んだレビューです。
『昨夜の記憶がないんだが、どうやら全員と…』は、前夜のことを思い出せず、戸惑う大学生・植村早介から始まります。現在の困惑を先に置いたあと、学科の仲間たちが集まっていた時間へ戻る構成です。冒頭で印象に残ったのは、出来事の説明よりも先に、顔つきや会話中の姿勢でその場の空気を伝えるところでした。
青空とすずめの静けさを破る、両手で覆った顔
朝の場面は、青空の下に立つれんが色の建物を縦長に描いたコマから始まります。窓や室外機、横切る電線まで見える外観に続き、窓辺にはすずめと小さな鳴き声が置かれています。人の事情をまだ知らない外の景色が穏やかなので、次のコマとの落差がはっきり感じられました。
その次に来るのが、早介の両手で覆われた顔です。指の間からのぞく目元と、大きく開いた口、赤い声の吹き出しが一度に目へ飛び込んでくる。さらに、手を離した顔では目が見開かれ、口元が止まっています。静かな外景から声の大きさへ、そして言葉を失ったような表情へと切り替えることで、何が起きたかの答えを示す前に、本人が整理できていない状態を実感させる導入でした。
机に置かれる手と、笑顔のまま交わされる応酬
グループワークの回想では、門間えりの大きな横向きの姿と、奥で笑う相手が同じコマに入ります。身を乗り出して問いかける側と、椅子に収まって返す側の距離が見えるため、吹き出しを追うだけでも会話の勢いが伝わります。手前の手を大きく描き、机をたたく音を添えたコマでは、人物の全身を見せなくても、やりとりが強まったことがわかるのが面白いです。
一方、小田志保は笑顔で手を添え、落ち着かせようと話します。眼鏡越しの目や口元を丁寧に見せた紹介コマのあと、えりが両手を机につく場面では、顔や目を簡略化した表現に変わります。細かな表情から大きな身ぶりへ描き方が切り替わるので、言い合いの内容を重くしすぎず、仲間同士のにぎやかな応酬として読めました。冒頭の一人で戸惑う顔を見たあとだけに、この場面の声の多さも印象に残ります。
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