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第1話のジムを訪ねる場面と、入会について声をかけられる会話を読んだレビューです。
『郁美さんが帰ってきた』は、ダイエットのためにジムを訪ねた聡太が、亡き父と縁のある郁美に再会する物語です。今回読んだ見学の場面では、扉から顔を出す男性と、明るく話しかける女性の反応の違いが印象に残りました。大きな出来事を説明するより先に、初めての場所で言葉が出てこない、その一瞬を絵と余白で見せています。
扉に半分隠れた顔が、入りづらさを伝える
ジムへ入るところでは、黒いシャツの男性が扉の陰から顔をのぞかせます。扉の縦の線が画面を区切り、顔もその向こうに一部隠れている。頬を赤くし、口を小さく開けた表情に、扉のきしむ音と開く動きを示す線が重なります。人物を最初から画面の中央に立たせず、入口にとどめることで、まだ場になじんでいない感じがよく伝わりました。
この小さめの枠の周囲には白い余白が広く残されています。扉を開けるわずかな動作が、余白を挟んで一つの出来事になる。すぐに説明や会話で埋めないので、顔を出してから声をかけられるまでの間を、読者も一緒に待つように感じます。人物の戸惑いを、表情だけでなく画面の使い方でも見せるところが好きです。
途切れる返事と、開いた手の笑顔の温度差
女性から入会について尋ねられると、男性の返事は短い言葉の途中に間が入ります。手前に描かれた男性の背中から吹き出しが伸び、その下にはまた大きな白い空間が続く。姿を近くに描いても、言葉は滑らかに続かない。この配置によって、相手を前にして返答が追いつかない様子が、会話の内容以上にはっきり見えました。
一方、続いて大きく描かれる女性は、こちらへ手のひらを開き、目を見開いて笑っています。髪を二つに編んだ顔の周囲には明るい桃色の背景と小さなきらめきが置かれ、入口で顔を隠していた男性とは対照的に、表情も身ぶりも外へ向かっています。実景の細部を引いて笑顔と手を目立たせるので、接客する側の親しみやすさがすっと伝わる。二人の気持ちを同じ調子にそろえず、ためらいと明るさを交互に見せる、この会話の描き分けが面白い導入でした。
読む前の予算づくりには、購入予算の考え方をまとめています。












